メルマガにすごくわかりやすい記事あり
まぐまぐニュース! 2021/04/06 より
日本のズルズル姿勢の背景にあるのは、第1に、本質的な次元では、科学的・合理的根拠に基づいて目標を設定し、そこへ向かって段階を追って条件を整えつつ達成に近づいていこうとする戦略的知性の欠如である。安倍晋三政権がまさにそれで、菅義偉政権はそれをもっと悪い形で引き継いでいるとも言えるのだが、設定されるのは戦略的目標ではなくて、「そうなってくれたらいいな」という希望的観測であり、それは科学的・合理的な思考から導かれるものではなく情緒的な気分に頼るものであるから、野党やマスコミや世論とのまともな議論には到底耐えられない。そのため言葉遊び、言い換え・言い逃れ・誤魔化し・答弁拒否など、まるで詐欺師のテクニックのようなことを繰り返すしかなくなる。
第2に、実体的には、やること為すことすべてが定義不明のまま始まるので、その局面が終わっても何と何が為され、あるいは為されなかったのかの総括ができず、従って次に始まった今の局面の焦眉の中心テーマは何でサブのテーマは何かといった任務の立体的な設定ができない。だからすべてがのんべんだらりのズルズルべったりになるのである。
https://www.mag2.com/p/news/492569/2 by 高野孟『高野孟のTHE JOURNAL』
「希望的観測」「言葉遊び」「詐欺師のテクニック」というのはわかりやすい表現。しかし、そう言った批判があることはわかったうえで、裏の裏をかいてあえてやっている節も感じる。現実はまっすぐ進むことのできない道はほとんどないのだから、経験から熟成された高度なテクなのかもしれないという見方もできるのでは?
余談だが、戦略的知性においては「局面」の認識は極めて重要で、毛沢東『矛盾論』の論法で言えば、この局面での主要な矛盾〔解決することを求められている中心課題〕は何であり副次的な諸矛盾とその優先順位・相互関係がどうであるかを全体的な構造として捉えなければならない。そしてその諸矛盾が熟して行ってある時にバーンと弾けて質的変化が生じ次の局面に移行するという場合に、次の主要な矛盾とそれと副次的諸矛盾との関係をどう察知し設定し直すかということが大事になる。
https://www.mag2.com/p/news/492569/2 by 高野孟『高野孟のTHE JOURNAL』
成り行きまかせはいかん、今の問題が次の次にどうなるかを常に考えておかないといかんということか?ん、納得。