対ウイルス戦の戦い方
新型コロナウイルスの感染者が東京では1月に1日1000人を超すまでになった。緊急事態宣言が出されて一日300人程度まで下がったが、0にはならなかった。なぜなのだろうか?手洗い、うがい、マスク、換気、外出自粛などの対策は効果が出ていないのだろうか?緊急事態宣言が解除となる直前の感染者の感染原因を徹底的に探れば、これらの対策に足りない点が見えてくるのではと思ってしまうが、そういう観点での報道や発表は見かけない。
対策の効果があるのかないのかについては、コロナの感染者数では判断が分かれるところだろうが、ある数字を見ればその効果が確実に出ていることが分かる。それはインフルエンザの感染者数だ。なんと、この1年ほとんど発生していないのだ。これはマスクをはじめとする対策が感染症に対して抜群の効果を出していることに他ならない。
では、なぜ新型コロナウイルスの感染者は発生して、減ることがないのか?この原因をはっきり理解して、そのうえ次の手を考えないといけないのではないだろうか。
インフルエンザと新型コロナとの違いは?それは「感染力が格段に新型コロナのほうが強い」ということだろう。
感染力を甘く見て、隙のある行動をとると感染してしまう。代表的なのが飲み会というのはどうやら確からしい。大声を出し、飛沫の濃度が高まるからだ。そこにマスクを外して2時間もいれば、強力な感染力で感染してしまう。
密な満員電車でも静まり返っている車内では感染しない。飛沫の濃度が低いからだ。
ということは、メッセージ出し方が違うだろう。「引き続き感染対策の徹底にご協力ください」だけではだめだろう。たとえば以下の要素をいれてみてはどうだろうか?
- 「これまでの対策はある程度の効果は出ているが、感染力が高く決定打になっていない。しかし確実に効いているのでやめてはいけない」
- 「新規感染者数が減っているのは感染力が落ちているからではなく、依然強いため油断するとすぐ感染する」
- 「飛沫の濃度が高いと感染する確率が高まるので、換気の悪いところでは話をしてはいけない。やむを得ず話をする場合には、話し手聴き手ともマスクを着用し小さな声で話さなくてはいけない」
- 「家庭内で感染することを避けるため、家庭内でも会話は控えめにして話す際はマスクを着用したほうがよい」
- 「反対に対策を徹底している場所、元来飛沫濃度の低い屋外では感染のリスクが低いので活動の制限を緩和してもよい」